転職ガイド

理学療法士の転職完全ガイド|8年目PTが転職すべきか含めて解説

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「そろそろ転職を考えたほうがいいのかな」と思いながら、なかなか動けずにいる方も多いのではないでしょうか。

私自身、PT3年目のときに転職を真剣に考えました。「とりあえず3年は働いてから転職するべき」という言葉はPT業界でよく聞かれますが、まさにそのタイミングで周りの同期や知人が転職を始め、自分も気になってPTOTST.NETなどの求人サイトに登録したことがあります。

結果として私は転職しませんでした。ただ、8年間で10名以上の同僚の転職を見送り、その後どうなったかも間近で見てきました。

「転職してよかった人」も「思っていたのと違った人」も、両方知っています。

この記事では、理学療法士の転職について「転職すべきか」という入り口の話から、転職先の選び方・活動の流れ・転職サービスの使い方まで、一次情報をもとに正直に書きます。転職するかどうかを迷っている段階の方にこそ、読んでいただきたい内容です。


理学療法士が転職を考える主な理由5つ

まず、なぜPTが転職を考えるのか、よくある理由を整理しておきます。自分の状況と照らし合わせながら読んでみてください。

給与・年収への不満

PT業界全体として、年収が上がりにくい構造があります。

私の場合、入社時の年収は300万円ほどで、基本給はほとんど変わらず、管理職手当などの手当が増えるかたちで少しずつ年収が上がっていくという状況が続いています。

「これだけ患者様のために頑張っているのに、給与に反映されない」と感じるPTは少なくありません。特にデイサービスや介護施設では、施設の規模や経営方針によって給与水準に大きな差があるため、「同じPTなのに年収が全然違う」という現実もあります。

給与への不満は、転職を考えるきっかけとして最も多い理由のひとつです。

職場の人間関係・環境

リハ室・病棟・デイフロアなど、狭いチームで毎日顔を合わせる職場だからこそ、人間関係のストレスは大きくなりやすいです。

上司との相性、多職種(看護師・介護士・ケアマネなど)との連携のしんどさ、管理職からのプレッシャー、後輩指導の負担など、理由はさまざまです。

人間関係による消耗は、身体的な疲れよりも回復に時間がかかることがあります。「もう限界」と感じる前に動き始めることが大切です。

キャリアアップ・スキルの行き詰まり

「デイサービスでは急性期のスキルが身につかない」「今の職場では成長できる気がしない」という声もよく聞きます。

これは施設形態による学べることの違いが大きく影響しています。急性期病院では術後のリハビリや重症患者への対応が学べますが、デイサービスでは生活期・維持期のリハビリが中心になります。

どちらが優れているということではありませんが、「自分が伸ばしたいスキルと、今の職場で積める経験が合っていない」と感じるなら、転職を検討する理由として十分です。

私の職場でも、急性期病院へのスキルアップを目的に転職した同僚がいました。目的が明確な転職は、採用側にも評価されやすく、成功しやすい傾向があります。

体力的・精神的な消耗

患者様・利用者様との関わりが密で、感情労働の側面が強いのがPTという仕事の特徴です。

利用者の状態が思うように改善しないときの葛藤、ご家族からのクレーム対応、亡くなった利用者への喪失感など、身体的な疲れとは別の消耗が積み重なっていきます。

バーンアウト(燃え尽き症候群)の状態になってから動くと、転職活動そのものが辛くなってしまいます。「疲れてきたな」と感じる段階で、一度立ち止まって考えることをおすすめします。

施設形態への不満

「デイサービスよりも病院の方が自分に合っている気がする」「訪問リハをやってみたい」など、今の施設形態そのものへの不満から転職を検討するケースも多いです。

PTとして働ける場所は、病院・クリニック・デイサービス・老健・訪問リハ・特別支援学校など幅広くあります。「今の職場が嫌なのか、この施設形態が合っていないのか」を整理することが、転職先選びの第一歩になります。


転職する前に一度考えてほしいこと【8年間転職しなかった私の視点】

転職を検討しているすべてのPTに、一度立ち止まって考えてほしいことがあります。

転職で解決できる悩みと、できない悩みがある

転職は、環境を変える手段です。ただ、悩みの原因が「今の職場特有のもの」なのか「自分自身の状況や考え方によるもの」なのかによって、転職が解決策になるかどうかが変わってきます。

たとえば「上司との相性が最悪」という悩みは、転職によって解決できる可能性があります。一方で「仕事にやりがいを感じられない」という悩みは、職場を変えても同じように感じる可能性があります。

私がPT3年目のときに転職を踏みとどまった大きな理由のひとつは、「やりたいことが明確ではなかった」からです。転職すること自体が目的になっていて、何のために転職するのかがはっきりしていなかった。

何も考えずに転職しても、転職先でも同じ不満を抱えるリスクがあると感じていました。

また当時、今の職場が「理学療法士としてのスキルだけでなく、管理職や運営面など、PTとしての枠を超えたキャリアを積める環境」だったことも、残る判断につながりました。

転職を考えたとき、まず「今の悩みは転職で解決できるか?」「転職先に何を求めているか?」を一度自問してみることをおすすめします。

転職した同僚のその後を、8年間見てきた

転職した同僚と同じ職場に残った同僚、両方を長年見てきた私の正直な感想をお伝えします。

転職して後悔している人は、私の周りにはほとんどいません。ただ、「後悔はしていないけど、デイサービスにいたままの方が比較的やりたいことができたかもしれない」と振り返った同僚がいたのも事実です。

一方で、印象的だったのは2つの事例です。

ひとつは、リーダー職を経験していた同僚が転職先に対してリーダー経験を交渉材料にし、月収5万円アップを実現したケース。もうひとつは、スキルアップを目的に急性期病院へ転職し、給与は変わらなかったもののボーナスが増えて年収が上がった同僚です。

どちらも共通しているのは、「転職の目的が明確だった」こと、そして「自分の経験を言語化して交渉できていた」ことです。

転職は「逃げ」でも「絶対的な正解」でもなく、自分の目的に合った手段かどうかが大切だと、8年間を通じて感じています。


理学療法士の転職先の選択肢と特徴

PTが転職先として選ぶ施設形態には、それぞれ特徴とメリット・デメリットがあります。順番に確認していきましょう。

病院・クリニック

急性期・回復期・維持期と病棟の種類によって業務内容が大きく異なります。

急性期病院では術後早期からリハビリに携わり、スピード感と臨床スキルが求められます。回復期病院では、患者様の在宅復帰を目標に、じっくりリハビリに向き合えるのが特徴です。クリニックは外来リハビリが中心で、残業が少ない傾向があります。

転職先として人気が高いのが病院ですが、急性期はプレッシャーが大きく、経験年数が浅いうちは業務についていくのが大変なケースもあります。自分のキャリアステージと照らし合わせて検討することが大切です。

訪問リハビリ・訪問看護

利用者様のご自宅に一人で伺い、生活の場でリハビリを提供する仕事です。

自分の裁量で動ける自由さがある反面、一人で判断しなければならない場面も多く、孤立しやすい環境でもあります。経験年数が3〜5年以上あるPTに向いている施設形態といえます。

移動時間も業務に含まれるため、体力的な消耗が少ない点を魅力に感じる方も多いです。

介護老人保健施設(老健)

医療と介護の中間に位置する施設で、在宅復帰を目指す利用者様へのリハビリを提供します。

多職種(医師・看護師・介護士・栄養士など)との連携を密に行う環境で、チームケアの経験が積みやすいのが特徴です。施設によって業務量や残業の多さに大きなばらつきがあるため、見学時の確認が重要です。

デイサービス・通所リハ

利用者様と長期的な関係を築きながら、生活リハビリを提供する仕事です。

急変対応が少なく、比較的穏やかな環境で働けることが多いです。利用者様の「今日できなかったことが明日できるようになる」という変化を間近で見られる喜びがあります。

給与水準は施設によって差が大きいため、条件交渉が重要になります。私の同僚が月収5万円アップを実現できたように、リーダー経験・管理職経験を持っている方は、転職先との条件交渉に活かせる可能性があります。

その他(特別支援学校・スポーツ・企業など)

特別支援学校や放課後等デイサービス、スポーツトレーナー、企業内リハビリなど、PTの活躍の場は広がっています。

求人数は多くないですが、「リハビリの枠を超えた働き方がしたい」という方には選択肢のひとつとして知っておく価値があります。


転職活動の流れとタイミング

転職活動にかかる期間の目安

一般的に、転職活動は3〜6ヶ月かかるといわれています。

転職サービスへの登録 → 求人の確認・応募 → 書類選考 → 面接(複数回のことも) → 内定 → 現職への退職申し出 → 引き継ぎ → 入職、という流れを考えると、「来月から新しい職場で働きたい」というのは現実的に難しい場合がほとんどです。

特に現職に迷惑をかけたくない場合は、退職の申し出から入職まで2〜3ヶ月の余裕を持って進めることが大切です。

動き始めるベストな時期

リハ職の採用で入職が多いのは4月と10月です。この時期は年度の切り替わりや半期の切り替わりにあたり、各施設が採用を積極的に行う傾向があります。

逆算すると、次のようなスケジュールが目安になります。

  • 4月入職を目指す場合:遅くとも前年の12月〜1月には転職活動を開始
  • 10月入職を目指す場合:6月〜7月には動き始める

ただし、施設によっては随時採用を行っているところも多いため、「4月・10月でないと転職できない」ということはありません。求人が出たタイミングで動けるよう、早めに情報収集を始めておくのが得策です。

私自身、3年目のときにPTOTST.NETなどのサイトに登録して求人を眺めていたことがあります。登録=転職確定ではないので、気軽に情報収集から始めるのがおすすめです。


PT転職に使える転職サービスの選び方

リハ職特化型 vs 総合型の違い

転職サービスには大きく2種類があります。

リハ職特化型(PTOTSTワーカー・PTOT人材バンク・レバウェルリハビリなど)は、PT・OT・STの転職に特化しているため、担当者がリハ職の事情をよく理解しています。「デイサービスから病院へ転職したい」「訪問リハの経験を活かしたい」といった具体的な相談にも、専門的な視点で対応してもらいやすいです。

総合型(マイナビコメディカルなど)は求人数が多く、幅広い選択肢の中から比較できます。一方で担当者のリハ職への専門知識は特化型より薄いことがあります。

どちらが正解とはいえませんが、初めて転職活動をする方はリハ職特化型から使い始めるのが使いやすいと感じます。

複数登録が基本の理由

転職サービスは1社だけに絞らず、2〜3社に登録するのが基本です。

理由は2つあります。ひとつは、サービスによって保有している求人が異なるため、1社だけでは見逃す求人が出てくること。もうひとつは、担当者との相性があるため、複数登録して比較することで自分に合ったサポートを受けやすくなることです。

「たくさん登録するのが面倒」という気持ちはわかりますが、転職は人生の大きな決断です。2〜3社に登録して選択肢を広げることが、後悔しない転職への近道になります。


まとめ|転職を迷っているPTへ

ここまで読んでくださった方に、最後に伝えたいことがあります。

理学療法士の転職は、「転職すること」自体が目的ではありません。自分が目指すキャリアや生活に近づくための手段のひとつです。

8年間で多くの同僚の転職を見送ってきた私が感じるのは、「目的が明確な転職は後悔しにくい」ということです。給与・スキル・環境、どれひとつとっても、「なぜそれが必要なのか」を言語化できている人は、転職後も自分の選択に納得できている印象があります。

転職を考えているなら、まず以下の3つを整理してみてください。

  • 今の悩みは転職で解決できるものか?
  • 転職先に何を求めているか?
  • 今の職場では本当に実現できないのか?

この3つが整理できてから動くと、転職活動の軸がぶれにくくなります。

まずは情報収集から始めてみてください。転職サービスに登録して求人を眺めるだけでも、「今の自分の市場価値はどのくらいか」「どんな職場があるのか」を知るよい機会になります。転職するかどうかは、それから決めても遅くありません。


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