「管理職になったけど、自分には向いていないかもしれない」
リーダーや主任になってから、こう感じたことはありませんか。
臨床のプロとして積み上げてきたスキルと、チームを率いるマネジメントは、全く別のスキルセットのように感じられます。「PTとしては自信があるのに、管理職としては何をすればいいかわからない」という悩みは、実はとても多いものです。
私はデイサービスで8年間勤務し、途中から管理職(主任)を経験している現役PTです。管理職になりたての頃は、マネジメントの難しさに正直悩みました。この記事では、その悩みをどう乗り越えたか、そして今感じているやりがいを正直に書きます。
管理職になりたての頃に悩んだこと
「臨床はわかるけど、マネジメントは別物」という感覚
管理職になりたての頃、私が最も戸惑ったのは「チームをどう動かすか」という部分でした。
個人として動くときは、自分の判断で動けばいい。でも管理職になると、自分だけでなくチームの動き・状態・方向性を把握して、判断し、動かしていかなければなりません。
「どうすれば後輩がうまく動けるか」「チームの問題はどこにあるか」「どのように伝えれば理解してもらえるか」――こうした問いに対して、最初は何から始めればいいかわかりませんでした。
「向いていないかも」と感じる瞬間
管理職に向いていないと感じる瞬間は、多くの場合こんな場面です。
- 後輩への指示がうまく伝わらない
- チームの雰囲気が良くないのに原因がわからない
- スタッフの不満や悩みをうまく拾えていない
- 自分が動くより、人に任せることの方がずっと難しい
こうした悩みを抱えたとき、「自分はマネジメントに向いていないのかもしれない」と感じるのは自然なことです。でも、それは**「まだやり方がわかっていない」**だけかもしれません。
PTにはマネジメントの土台がすでにある
気づいたこと:リハビリとマネジメントは同じ構造
管理職として悩んでいた頃、ある気づきがありました。
理学療法士はリハビリプログラムを立てる際に、必ず長期目標・短期目標を設定します。評価を行い、そこから原因を予測し、具体的なアプローチを考え、実施して、また評価する。これはまさにPDCAサイクルそのものです。
また、患者様の状態を多角的に分析する「統合と解釈」も、PTが日常的にやっていることです。
これらは組織やチームを率いることにもそのまま応用できるものです。
- チームの「今の状態」を評価する(アセスメント)
- 課題の原因を予測する(統合と解釈)
- 改善策を考えて実行する(プログラム立案)
- 結果を振り返り修正する(PDCA)
個人の患者様が「チーム」に変わっただけで、やっていることの構造は同じです。
この気づきがあってから、マネジメントが楽しくなりました。
PTの専門性はマネジメントに活かせる
「目標を立てて、評価して、修正する」という思考プロセスは、PTとして培ってきた最大の強みのひとつです。
多くの職種は、こうした思考プロセスをビジネス書やマネジメント研修で学びますが、PTはリハビリの現場で自然に身につけています。管理職に「向いていない」と感じるPTほど、実はこのスキルをすでに持っているのに、それに気づいていないだけかもしれません。
管理職になってわかったやりがい
チームで達成したときの喜びは格別
管理職として一番驚いたのは、チームで何かを達成したときの喜びの大きさです。
個人として成果を出したときの嬉しさとは、また違う感覚があります。自分だけでなく、チーム全員が動いて、それが結果につながったとき――その喜びは、個人での達成よりも数倍大きく感じます。
後輩が褒められると自分のことのように嬉しい
もう一つ、管理職になって初めてわかったことがあります。
後輩や同僚が上司や利用者様から褒められたとき、自分のことのように嬉しくなるのです。
管理職になる前は、正直「他の人が褒められても自分には関係ない」という感覚がありました。でも今は、チームのメンバーが成長したり、評価されたりする瞬間が、自分のやりがいの核心になっています。
これは、管理職を経験しないとなかなかわからない感覚です。
「向いていない」と感じたときの対処法
まずはPTの思考プロセスをチームに当てはめてみる
「管理職に向いていない」と感じたとき、まず試してほしいのが、PTとして使っている思考プロセスをそのままチームに当てはめてみることです。
- チームの「今の状態」を評価する:スタッフの様子・雰囲気・課題はどこか
- 原因を予測する:なぜその課題が起きているのか
- 具体策を立てる:何をどう変えれば改善するか
- 実行して振り返る:変化があったか、次に何が必要か
この問いを意識して動くだけで、管理職としての行動が変わります。
「向いていない」と「やり方がまだわかっていない」は違う
管理職の悩みで多いのが、「自分には向いていない」と「やり方がまだわかっていない」を混同してしまうことです。
向いていないかどうかは、正しいアプローチを試してみた後でなければわかりません。PTとして「目標を立て・評価して・修正する」という思考プロセスを持っている方は、マネジメントの素地が十分にあります。
まずはその思考プロセスをチームに向けて使ってみることをおすすめします。
それでも「今の環境が合わない」なら
職場の文化や環境そのものが、管理職としての動きにくさを生んでいるケースもあります。
「管理職として挑戦したいけど、今の施設ではやりにくい」「リハビリ職が評価される組織で働きたい」という場合は、転職という選択肢も視野に入れてみてください。
まとめ|PTの思考プロセスはマネジメントに直結する
管理職に向いていないと感じているPTへ、私が一番伝えたいことをまとめます。
- 長期目標・短期目標・PDCA・統合と解釈――これはマネジメントの本質と同じ構造
- 個人からチームへ対象が変わるだけで、やっていることは変わらない
- チームで達成する喜び・後輩が育つ喜びは、管理職になって初めてわかる
「向いていない」と感じているなら、まずPTの思考プロセスをチームに当てはめてみてください。それでも合わないと感じる環境なら、転職で環境を変えることも正当な選択肢です。
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